2012年8月11日土曜日

僕の話(死について考えた日)

夏真っ盛りの季節に、

僕は相変わらずのホームレスだった。

先の希望は全く無い状況だった。


仕事があれば派遣で働き、

公園やネットカフェで寝るという生活。

毎日毎日イライラしていた。


二日間ご飯を食べなかっただけで、

頭痛が鳴り止まなくなってしまった事もある。

1日2日、食べなくても大丈夫だろうなんて以前は思っていたりもしたけど、

全然大丈夫じゃなかった。

頭痛はするし、

フラフラする。

精神的にもどんどん沈んでいった。


日雇い派遣の仕事は、相変わらず、滋賀県にある飲料を扱っている運送屋が多かった。

食事や水分をかなり節約していたので、

物凄く身体がしんどい日もあったけど、

働いているだけでも気が紛れた。

派遣の仕事が無いと、時間が潰せない。

公園で何時間も座っていたり、

100円マックで何時間も過ごしたり。

ブックオフで立ち読みしたり。

気がおかしくなりそうだった。


日雇い労働だけが心の救いだったのだけれど、

僕は仕事中に大きなミスをしてしまった。

しかも2日連続で。


「A」という店に行くハズの荷物を、

他店に行く荷物の中に、大量に混ぜてしまった。

当然、「A」という店には注文したハズの荷物が全く届かず、

他店に、注文していない荷物が大量に届いてしまった。

そんな初歩的で、しかもあってはならないミスを、

2日連続で犯してしまった。


自分でもビックリする程落ち込んだ。

高校を卒業してから、僕はずっと働いた。

働かなきゃダメだからという理由もあるけど、

仕事自体が楽しかった。

ホームレスになってからも同じだった。

しんどい肉体労働でも、仕事は楽しかったし、

家が無くてもお金が無くても、仕事だけは頑張ろうと思っていた。

でも、最悪なミスをしてしまった。


そのミスを、寝る直前まで僕は引きずっていた。

「あーもう何もかもダメだイヤだどうしようもない死にたい逃げたい消えたい」

そんな事ばかり考えてしまう。


公園の固いベンチに寝そべって、

「もうイヤだ、もうイヤだ、もうイヤだ、もうイヤだ」

ひょっとしたら声にも出ていたかもしれない。

「もうイヤだ」以外の言葉が考えられなくなった。

何時間もそうしているうちに、「イヤだ」と考えるのもイヤになった。


このまま死んでしまおうか。

でも死ぬのなんて嫌だし無理だし。

でもこのまま放っておいても、冬になったら死んでしまうんじゃないか。

公園で冬が越せる訳無いし。


「あー僕は冬になったら死んじゃうんだ」

そんな事を考えだした。


「死ぬ時ってどんなだろう」

中学生くらいの時から、何回も何回も考えたけど、

いまいち、パッとしたイメージが持てなかった。

でも、流石にホームレス生活をしていると、随分具体的になって来る。


死ぬ直前て、ひょっとしたら人生で初めての自由な時間なんじゃないだろうか。

死ぬ直前、もし15秒でも30秒でも思考する時間があったなら、

その時間というのは、生まれて初めての、自分だけの時間なんじゃないだろうか。

世間とか、親とか、知り合いとか、何もかも関係が無い時間。

自分だけの時間。

その時に、一つだけでも自分が納得出来るモノがあれば良いなぁ。

もし、今日死んでしまったら、仕事でミスって落ち込んだテンションのまま死ぬのかなぁ。

それは嫌だなぁ・・

最後くらい「良い事なかったけど、これだけは頑張れた」と思って死にたいなぁ・・・


何だかそんな事を考えだしてしまった。

我ながら中学生みたいだなぁなんて思ったけど、

そういえば大人になってからはあんまり死ぬことについて考えてなかった事に気付いた。


最後に一つだけ自分が納得出来る物が欲しいなと思った時、

やっぱり仕事だと思った。

他に楽しい事が見つかればそれでも良いのだけど、

僕には見つかりそうも無い。

元々、仕事をしている時間が一番好きだったし、一番楽しかったから、

仕事でミスをした事を死ぬ直前に思い出すんじゃなくて、

頑張って良い結果を出せた事を思い出したいなぁ。なんて考え出していた。


ホームレスになって初めて、

「明日も頑張ろう」と思えた。


1 件のコメント:

  1. はじめまして。6、7月頃の記事を読ませていただき、少し気になったのでコメントさせていただきます。
    まず一つ目、「住宅手当」の制度は社会福祉協議会のものではありません。
    二つ目、住宅手当を申請していないと臨時特例つなぎ資金は申請できないとありましたが、逆ではないでしょうか。臨時特例つなぎ資金は住宅手当を申請してからでないと申請できないと思います。(これは自信をもって言えることではありません。申し訳ありません。)
    三つ目、総合支援資金の窓口は以前は京都市社会福祉協議会(ひとまち交流館)でしたが、平成24年6月からは各区の社会福祉協議会になりました。(下京区在住なら下京区社会福祉協議会)

    ご自分と同じような立場になられた方を助けたいと思われてこの記事を書いておられるなら、訂正が必要かと思い、コメントさせていただきました。
    最近の記事は拝読していないので、もし、すでに訂正がありましたら申し訳ありません。

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