2012年7月15日日曜日

「生活保護受給は恥」という感覚

最近、生活保護について、ネット上でも実社会でも、

以前より多く語られる様になったと思います。

ほんの数年前まで、「生活保護」という言葉が日常会話に出る事なんて無かったのですが。

セーフティネットについて詳しく知らない人達が多い状況の中で、

語られる機会が増えたのは良いと思うのですが、

それだけみんな働いていても先が見えないという状況になっているという事でもあると思うので、

良い事なのか悪い事なのか分からなくなってきます・・


生活保護受給は「恥ずかしい?」に「Yes」が46.3%(週プレニュース)
(2012年6月19日)


>合計1000人を対象に生活保護に関するアンケート調査を行なったところ、
>「生活保護を受けることを『恥ずかしいことだ』と思いますか?」という質問に、
>46.3%が「はい」と回答。約半数の人が恥ずかしいと思っていることが分かった。

>思っていたよりも高い数値ではあるが、
>この背景には、河本氏のイメージが大きく左右しているのかもしれない。
>というのも、「子供は親の生活の面倒を見なければならないと思いますか?」という問いには、
>64.3%の人が「はい」と回答しており、
>子供が親を扶養するのは当然だという意識がかなり浸透しているからだ。
>だが、根本的な制度の問題になると、多くの人々が厳しい目を向ける。
>「生活保護の審査について、あなたの印象は?」という質問には、
>72.1%もの人が「甘すぎる」と回答。
>消費社会研究家で、カルチャースタディーズ研究所代表の三浦展氏もこう語る。

>「もはや、政府の税金の使い方に国民はあきれ果てているんです。
>本来、官僚が税金をフェアに分配していれば問題はないけれども、
>どうもこの10年、20年を見るとブラックボックス化している。
>だから、生活保護費も支給した成果が見えるようになる仕組みをつくらないとダメです」

>一方でこういう意見もある。貧困問題に取り組む作家の雨宮処凛氏だ。

>「今は、河本さんの件で生活保護制度自体に批判が高まっているようですが、
>生活保護は捕捉率(受給資格を満たしている人のなかで、受給が行き届いている率)
>が約2割程度しかなく、先進国でも日本は最低ランクです。
>つまり、受けられはずの人が受けられないというのが現実です」

>制度ではなく、仕組みに問題があるとする雨宮氏。
>現在、日本における生活保護受給者は約210万人。今後も増加するといわれているが、
>そのときに今の制度や仕組みが維持できているとも思えない。

>「『働かずに税金をもらって生活をしている』という批判がありますが、
>果たして、そんな生活に満足できる人がどれだけいるのでしょうか。
>私はほとんどいないと思います」(前出・雨宮氏)

>結局のところ生活保護は、
>脱することを前提とした“一時的”な保護制度だという認識を深めて行くしかない。


僕は正直な所、生活保護受給が恥ずかしいという気持ちは、

あった方が良いと思います。


ですが、それは受給している側が持つべき意識であって、

それを世間が押し付けるのは、違うと思います。

別に、「恥」という感覚でなくても良いのですが、

「今の自分はあまり良くない状況だから早く抜けだそう」

という気持ちが無ければ、ずっとズルズル行ってしまいます。


実際、病気や怪我や、何か事情があって働けなくなってしまった。

便りになる身内もいないので、生活保護を受ける。

これは当然です。

生活保護を受けずに死んでしまうより、よっぽどマシです。


ですが、生活保護受給中の生活がよくなる事は、

100%有り得ません。

上の記事にも書いてありますが、


>「『働かずに税金をもらって生活をしている』という批判がありますが、
>果たして、そんな生活に満足できる人がどれだけいるのでしょうか。
>私はほとんどいないと思います」(前出・雨宮氏)


これは僕も同意見です。

毎月、生活に最低限必要なお金を支給され、

最低限必要な物にそのお金を使います。

本当に「生きているだけ」という状況。「死ぬよりはマシ」という状況。

生活が出来なくなるという事が無い代わりに、

生活が良くなるという事もありません。


>結局のところ生活保護は、
>脱することを前提とした“一時的”な保護制度だという認識を深めて行くしかない。

勿論、どうしても働けないという状況の人は別ですが、

何らかの事情があり、生活保護を受給していて、そのうち働ける様になった。という人は、

やはり抜け出す為の努力はするべきです。


その為にはやはり、

「生活保護受給は恥ずかしい」

「今の自分の生活は底辺だ」

という気持ちがある程度あった方が良いのじゃないかなぁと思ったりします。


失敗しても、レールから外れても死なない様に、

セーフティネットというものがあります。

ですが、「死なない」のと「満足な生活を送る」というのは、

全然違うと思います。


生活保護受給者に対して、

「税金で良い暮らししやがって」

みたいな意見をよく耳にしますが、

月々最低限の生活費だけ支給されて、

毎日朝から晩までゴロゴロする。

そんな生活が「満足な生活」と呼べるのでしょうか。

生活保護を受給しながら贅沢な暮らしが出来るのは、

他に収入源等がある、不正受給者のみです。

やはり、「一時凌ぎの為の制度」という認識は大事だと思います。


関連記事:生活保護で贅沢出来るのは不正受給者だけ

関連記事:ホームレスから社会復帰する難しさ


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