2012年7月17日火曜日

ホームレスが奮い立たされた日本語ラップ

日本にももうすぐHIP HOPが根付くと思う。

少し前まで

「日本にゲットーなんて無い」

とか

「日本に外国のギャングみたいな悪い人はいないよ」

とか言われてたけど・・・

貧困とか治安の悪さというのは、比べるものじゃない。

生活が大変な地域・生活が大変な家庭で産まれ育って、

頑張って頑張って這い上がってきた人達の音楽があるというのは、

重要な事だと思う。

そういう音楽に救われる人が、きっとこれから増えると思います。

上の世代の人達からしたら、理解されにくいかもしれないけども・・・

僕は元々、長渕剛さんの音楽とかHIP HOPが大好きで、

ホームレスになった時、幸いにもiPodがポケットに入ったまんまだったので、

公園やネットカフェでずっとHIP HOPを聴いていた。

HIP HOPが無かったら、野垂れ死んでいたかもしれない。

僕がホームレス時代に毎日聴いていたHIP HOPを少し紹介しようと思います。


・ANARCHY
京都出身・在住のラッパー。

京都市伏見区という地域に「向島団地」という団地があります。

京都というのは色々と複雑な地域が数多くありまして、

元々、京都の他の地域に散らばっていた、

在日外国人や、低所得者層や、部落出身の人々等を、

移住させる目的で作られた団地です。

当然治安は最悪で、交番の出動回数は京都一という時期もあったそうです。

「てるくはのる事件」の犯人が飛び降りた団地としても有名です。

今では多少治安は良くなりましたが、

ANARCHYさんは、昭和56年生まれで、僕より4歳年上。

恐らく、向島団地が荒れに荒れていた時代に、青春を過ごしている方だと思われます。


見た目は少し怖いですが、とても良い歌詞。

「夢掴め働いて」という言葉に、

サラリーマン時代から今に至るまで、何度も何度も助けられています。


ANARCHYさんのラップからは、底辺で産まれ育った人の、

「もがき」がかなり強烈に感じられます。

もがき方すら分からない、どうやったら良い生活が出来るのか分からない、

それでも上を見て、もがき続ける。

そういった苦しみが強烈に表現されていると思います。



・SHINGO★西成
その名の通り、大阪の西成区出身のラッパー。

SHINGO★西成さんは、西成区で生まれ育ち、大学卒業後、福祉関係の仕事をされていた様で、

やはり、見て来たものが普通の人とは違うのだろうなと思います。


↑の「ILL西成BLUES」という曲のPVは、西成区で撮影されています。

西成区の職業安定所の内部やその周辺、三角公園の様子も映っています。

やはり、言葉の重みが違います。

「観光気分ならば来んでええ アンポンタン お目々開いて耳かっぽじって

肌で感じて黙ってくれればそれでええ」

この場所で実際に産まれ育った人じゃないと出てこない言葉。

最近ネットでもよく西成の事が取り上げられる様になり、

まさに観光気分で西成へ行ってカメラを回したり茶化したりしている様な人も増えている様です。

ニコニコ生放送で、飛田新地を隠し撮りする様なユーザーもいる様です。

そういったモノを見る度、僕は何だかとても嫌な気持ちになります。


大阪という土地柄のせいか、SHINGO★西成さんのラップには明るさが漂っている様に感じます。

聞き取りやすいラップに、強烈なメッセージ。

現実を伝えるだけではなく、とても励まされます。

「頑張っても良い事なんて無い」というのを誰よりも分かっている方だと思うのですが、

それでも「諦めるな、頑張れ」というメッセージを色んな曲で発しておられます。

こういう人がもっともっと有名になって欲しいなと思います。

きっと、勇気づけられる人も多いはず。

もうすぐ、新しいアルバムが発売されます。

僕も勿論予約しました。

今から楽しみで仕方ないです。



・般若
東京の世田谷区出身のラッパー。

僕が一番好きなラッパーです。

ホームレス中、般若さんの曲は毎日欠かさずに聴いていました。

般若さんは、長渕剛さんに影響を受けているラッパーで、

長渕剛さんの桜島ライブにも出演されています。

ラップの隅々から、90年代の長渕剛さんに似た雰囲気を感じる事もあります。

少し、暑苦しい部分もあるかと思いますが、

純粋に、男としてカッコイイと思います。

こういう、まさに「日本男児」という方がもっともっと有名になって、

もっともっと良い影響を与えてくれたらと思っています。

「一人で闘う男」と紹介される事も多い様ですが、

本当にその通りだと思います。

仲良しこよしではなく、一人で全て背負って生きている人なんだと思います。

ラップの端々からそういった部分が見えてくる様に思います。







他にも、ホームレス中によく聴いていたHIP HOPはあるのですが、

特によく聴いていたHIP HOPミュージシャンを紹介させて頂きました。

あまり上手く紹介出来なかったかもしれませんが・・・

日本のHIP HOPをよく聴く人にはとても有名な方たちですが、

HIP HOPにあまり興味の無い人にはまだまだ知られていないのではと思います。

他にも良いラッパーは日本にもいっぱいいるので、

またブログに書いてみようと思います。

僕のブログを読んでいる方の中に、少しでもHIP HOPに励まされる方がいればと思います。

HIP HOPというと、ネット上では若干茶化した様な取り上げられ方をされる事が多く、

その度に僕は、何だか少し悔しくなります。

でも、そういった事もこれからどんどん減って行くと思います。

他のジャンルの音楽では表現されない、リアルさ。

派手なアイドル、高価な楽器を持ったバンド。

そういった音楽には全然心が動かないという人も多いと思います。

もしかしたらHIP HOPなら、苦しい毎日を送っている人達を変えられるかもしれない。

HIP HOPを聴いた若い世代の人達が、

「もっと頑張ろう」

「もっと出来る事をやって生活を良くしよう」

「今はしんどいけど必死に頑張って夢を叶えよう」

そんな考え方に代わるかもしれない。

HIP HOPにはそれだけの力があると僕は思っています。


あまり上手く紹介出来ませんでしたが、

少しでもHIP HOPに興味を持つ人が増えたらと思っています。

去年は僕はホームレス中で、ライブとかにも全然行けなかったのですが、

今年は行けたら良いなぁと思います。

1 件のコメント:

  1. はじめまして!向島の人間です。アナーキーさん僕も好きです。ヤクザから警察まで色んな人間がいる向島ですがアナーキーさんの悪い評判は聞いたことがないですね。筋が通った方々だと尊敬しています。僕はもう40歳なんですが世代を超えてなんやかんやでつながりがある向島、アナーキーさんも知り合いの後輩だそうです。ホームレス問題を検索しているうち今日初めてこちらにうかがいました。今まで主に大阪、京都市でホームレス支援活動の手伝いをしていました。これからじっくり読ませていただきます!

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