2012年6月14日木曜日

僕が見た老夫婦ホームレス


僕のいた宿泊所に、老夫婦のホームレスがいた。

恐らく年齢は60歳前後くらい。

そのくらいの年齢の入所者は何人かいたけど、「夫婦で」というのは他にはいない様だった。

夫婦そろって頼れる人がいないのだろうか・・・

ある日の朝、日雇いのバイトに行こうとすると、丁度その夫婦が宿泊所に戻ってきた。

散歩でも行ってたのだろうか。

仲良く手を繋いで歩いていた。

お婆さんは、お爺さんの斜め後ろを歩き、

二人ともニコニコしてた。

手に、シケモクが詰まったビニール袋をぶら下げて。


その後も、宿泊所近辺で二人の姿をよく見かけた。

二人ともボロボロの服で、

シケモクが詰まったビニール袋を持ち、

自販機の小銭を漁ったり、

その辺に腰掛けて日向ぼっこしてた。

何となく、ホームレス生活が長いのかな、と思った。

不正受給狙いの人は、自販機の釣銭を漁ったり、

シケモクを拾ったりはしない。

今日昨日ホームレスになった人も多分拾わないだろう。

僕も公園に住んでた時、

何度もシケモクを拾いかけたけど、

出来なかった。

そのラインを越えても夫婦でいれるというのはどういうものなんだろう。

残念ながら僕には想像出来なかった。


宿泊施設に入れたという事は、

おそらく生活保護の申請は割りとすんなり進むだろうし、

一ヶ月もすれば、小さいアパートでも借りて二人仲良く生活していくのかもしれない。


60年くらい生きてきて、

誰も頼れる人がいない、家が無くなったらどうしたら良いのか分からない、

というのはどういう事なんだろう。

ひょっとしたら夫婦が物凄く問題のある生き方をして来たのかもしれないし、

ひょっとしたら少し障害があったりするのかもしれない。

事実、軽度の障害を持ったホームレスは多い。


どういう理由でホームレスになった夫婦なのかは全然分からないけど、

二人仲良く、ニコニコしているのを見るのが妙に辛かった。

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